KAIRO
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7Chapter 7

S Corporation(小規模会社)

S Corporation

ストーリー(冒頭プレビュー)

🦉 Episode 7: 二重課税を越えて --- S Corporationという選択

カイロウが事務所に出勤すると、先輩がホワイトボードの前に立っていた。ボードには「C Corp」と「S Corp」の2つの箱が描かれ、矢印が何本も走っている。

💼「カイロウ、昨日までC Corporationの課税を学んだな。今日はS Corporationだ。名前は似ているが、課税の仕組みは全く違う」

🦉「何が違うんですか?」

💼「C Corpでは法人が稼いだ利益に法人税がかかる。そして配当として株主に渡すと、さらに個人の所得税がかかる。これが二重課税だ。S Corpはこれを避ける仕組みを持っている」

先輩はボードに大きな矢印を描いた。S Corpの箱から直接「株主」に線が伸び、「法人税」の箱を迂回している。

💼「S Corpでは、法人レベルでは原則として課税されない。所得がパススルーされて、直接株主の個人申告で課税される。だから課税は1回だけ」

🦉「それなら全部S Corpにすればいいじゃないですか」

💼「そう単純じゃない。S Corpには厳しい入会条件がある」


クラブの入会資格

先輩はボードに「S Corp要件」と書いて、箇条書きを並べ始めた。

💼「まず、米国内法人であること。海外法人はダメだ。株主は100人以下。そして適格株主のみ。C Corporationやパートナーシップ、非居住外国人は株主になれない」

🦉「なぜC Corpは株主になれないんですか?」

💼「いい質問だ。S Corpの目的はパススルー課税だ。もしC Corpが株主になると、S Corpからパススルーされた所得がC Corpに流れ込む。そこでまた法人税がかかる。パススルーの意味がなくなる」

カイロウは大きく頷いた。仕組みの目的から要件が導かれる。暗記ではなく理解だ。

💼「さらに、1種類の株式のみ。ただし、議決権の有無(voting/non-voting)は別の種類とは数えない。あくまで経済的な権利---配当を受け取る権利や清算時の権利---が同じであればいい」

🦉「選択の手続きは?」

💼「全株主の同意が必要だ。Form 2553を、暦年の場合は3月15日までに提出する。1日でも遅れると翌年度から。厳格だ」


通帳残高としてのBasis

翌日、先輩はより実務的な話に入った。

💼「S Corp株主にとって最も重要な数字がBasisだ。これは株主の投資額を追跡する通帳のようなもの。いくら預けて、いくら増えて、いくら引き出したかを記録する」

先輩はBasis計算のフローを書いた。

インプット(冒頭プレビュー)

この章の試験での位置づけ

CPA Exam Blueprint(試験設計図) とは、AICPA(米国公認会計士協会)が公式に公表している「試験で何が、どのくらいの比率で、どのレベルで問われるか」を定めた文書です。 全ての出題はこのBlueprintに基づいて作成されます。つまり Blueprintを知ることは、試験の設計者の意図を知ること です。

項目内容
所属エリアArea III -- Federal Taxation of Entities
Blueprint参照III-C: Tax computations and filing requirements for S corporations
エリア出題比率28--38%(Area III全体)
求められるスキルレベルApplication / Analysis --- Basis計算、AAA・分配処理、Built-in Gains税・Passive Investment Income税の判定、プランニングの選択が求められる

このChapterのポイント: S Corporationは MCでもTBSでも最頻出テーマの1つ 。株主Basisの増減計算、AAAを使った分配のGain認識判定、Built-in Gains税とPassive Investment Income税、そして2%超株主のFringe Benefit課税が繰り返し問われる。TCPはREGより一段深い「プランニング視点」(給与とDistributionの配分戦略、選択のタイミング判断)が問われる点に注意。C Corporationとの違いを正確に区別できるかが得点力に直結する。

前提知識 --- この章に入る前に、分かっているとラクなこと

前提知識なぜ必要か
C Corporationの基礎(Ch6)S Corpは「C Corpの枠組みをベースに、課税を株主にパススルーする」仕組み。C Corpの課税ルールを知らないとS Corpの特殊性が理解できない
パートナーシップのBasis概念(Ch5)S CorpのBasis計算はパートナーシップに似ているが重要な違いがある。両方を比較することで理解が深まる
Capital Gain / Ordinary Incomeの区別S Corpの所得は性格を保持して株主にパススルーされる。所得分類の基礎知識が必要
給与課税とSelf-Employment Taxの基礎S Corp株主兼役員の「給与 vs Distribution」のプランニングを理解する前提になる

1. なぜこの論点が必要か(Why)

【TCPの全体像マップ】

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