KAIRO
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7Chapter 7

災害復旧計画

Disaster Recovery Plan

ストーリー(冒頭プレビュー)

🦉 Episode 7: 灰の中から --- 災害復旧計画

月曜の朝、カイロウがオフィスに出社すると、先輩の表情がいつもと違った。画面にはクライアント企業からの緊急メールが開かれていた。

💼「週末にNexTech社のデータセンターで火災があった。サーバールームが全焼して、本番環境のサーバーが全て使えなくなった」

🦉「全て……ですか?」

💼「そうだ。問題は、NexTech社がこの事態にどこまで備えていたか。今日は急遽、同社の災害復旧計画(DRP)の実態を確認しに行く」

カイロウは、先輩と一緒にNexTech社の仮設オフィスに向かった。灰の匂いがかすかに残るビルの前で、IT責任者の田中さんが疲れた顔で出迎えてくれた。


RPOとRTO --- 「どこまで戻れるか」と「いつまでに戻すか」

会議室に入ると、田中さんがホワイトボードに時間軸を書き始めた。

🧑‍💻「火災が発生したのは土曜の午前3時です。最後のバックアップは金曜の午後11時に実行されていました」

💼「つまり約4時間分のデータが失われた可能性がある。御社のRPOは何時間に設定されていましたか?」

🧑‍💻「RPO……?」

カイロウは小声で先輩に聞いた。

🦉「RPOって何ですか?」

💼「RPO(Recovery Point Objective)。どこまでのデータ損失を許容するかを時間で定めたもの。今回、最終バックアップから火災まで4時間。もしRPOが1時間なら、3時間分の超過だ」

🦉「じゃあRTOは?」

💼「RTO(Recovery Time Objective) は、災害発生からいつまでにシステムを復旧させるかの目標時間。RPOは過去方向、RTOは未来方向を見る」

田中さんは苦い顔をした。

🧑‍💻「正直に言うと、RPOもRTOも明確に設定していませんでした。BIA(ビジネス・インパクト分析)も形式的なもので……」

カイロウは胸の奥がキュッと締まるのを感じた。数字を決めていなかった。つまり「どこまでなら耐えられるか」を考えていなかった。それは、嵐が来ることは分かっているのに、巣の補強をしなかったフクロウと同じだ。


代替施設 --- 「どこで復旧するか」

💼「復旧用の代替施設は契約していましたか? Hot site、Warm site、Cold site、いずれかを」

🧑‍💻「Cold siteの契約はあります。市内のレンタルスペースで、電源と空調はありますが、サーバーは何も置いていません」

💼「Cold siteか。機器の調達・設置・ソフトウェアのインストールに数週間はかかる。御社の基幹システムは数週間止まっても大丈夫ですか?」

インプット(冒頭プレビュー)

この章の試験での位置づけ

CPA Exam Blueprint(試験設計図) とは、AICPA(米国公認会計士協会)が公式に公表している「試験で何が、どのくらいの比率で、どのレベルで問われるか」を定めた文書です。 全ての出題はこのBlueprintに基づいて作成されます。つまり Blueprintを知ることは、試験の設計者の意図を知ること です。

項目内容
所属エリアArea IV -- System and Organization Controls (SOC)
Blueprint参照IV-B: Business continuity planning, IV-C: Disaster recovery
エリア出題比率15--25%
求められるスキルレベルApplication(適用) --- 施設の種類選択やRPO/RTOの判断、バックアップ方式の復旧手順が問われる

このChapterのポイント: 災害復旧計画(DRP)は、MCで繰り返し問われる定番テーマ。Cold site / Warm site / Hot site の使い分けRPO と RTO の違いバックアップ方式(Full/Incremental/Differential)の復旧手順同期/非同期レプリケーションが最頻出。施設・バックアップの選択理由を「なぜそうなるか」で理解しておけば、選択肢を消去法で絞れる。

前提知識 --- この章に入る前に、分かっているとラクなこと

前提知識なぜ必要か
BCP(業務継続計画)の概念(Chapter 6)DRPはBCPの一部。BCPの全体像を知っていると、DRPがカバーする範囲が明確になる
ビジネス・インパクト分析(BIA)RPO/RTOの設定根拠はBIAの結果に基づく。BIAを理解していると「なぜこの数値か」が腑に落ちる
情報システムの基礎構成(Chapter 1)バックアップやRAIDの議論は、ハードウェア・ストレージの基礎を前提としている
リスク対応の4分類(Chapter 5)DRPへの投資判断はリスクの「軽減(Mitigate)」の一形態。ALE(年間予想損失額)の考え方がサイト選択の費用対効果分析に直結する

1. なぜこの論点が必要か(Why)

ISCの全体像マップ --- 今どこにいるか

【ISCの全体フロー】

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