KAIRO
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3Chapter 3

IS部門の役割と責任

Roles and Responsibilities of the IS Department

ストーリー(冒頭プレビュー)

🦉 Episode 3: 見えない壁 --- IS部門の役割と職務分離

入社3日目の朝。カイロウがデスクに着くと、先輩の鷹山さんが珍しく険しい顔をしていた。

💼「今朝、内部監査部からレポートが上がってきた。経理部の佐藤さんが、自分で仕訳を入力して、自分で承認して、自分で元帳に転記していた」

🦉「それの何がまずいんですか? 佐藤さんは仕事が早いということでは……」

💼「逆だ。それは職務分離(Segregation of Duties)が全くできていないということ。1人が入力・承認・記録の全てをできる状態は、不正や誤りが検出されない最も危険な状態だ」

カイロウは翼を小さく震わせた。森で食料を管理する時、1羽のフクロウだけが食料庫の鍵を持ち、食料の出し入れも記録もしていたら、食料が減っても誰も気づけない。


職務分離 --- 「1人に全てを任せるな」

先輩はホワイトボードに3つの円を描いた。

💼「IS部門の職務分離は、大きく3つの機能を分けることが基本だ。開発運用セキュリティ管理

🦉「開発と運用を分ける理由は何ですか?」

💼「開発者が本番環境にアクセスできたら、テストを通さずにプログラムを変更できる。運用担当者がプログラムを変更できたら、不正な処理を仕込める。だから開発者は本番環境にアクセスできない運用担当者はプログラムを変更できないようにする」

🦉「なるほど……。でも、小さな会社だと1人で両方やらざるを得ないこともありませんか?」

💼「その通り。人数が少ない場合は補完的統制(Compensating Controls)を導入する。例えば、独立した第三者によるレビュー、詳細なログの記録と監視、定期的な監査。完璧な分離ができなくても、リスクを軽減する手段はある」

カイロウはメモを取りながら、IS部門の中に見えない壁が引かれている理由を理解し始めた。壁は人を信用していないから建てるのではない。人が誤りを犯す可能性を前提に、組織として安全を守るために建てるのだ。


システム開発ライフサイクル --- 「設計図なしに家は建てない」

午前の後半、先輩はシステム開発の話に移った。

💼「新しいシステムを作る時、いきなりプログラミングを始めると思うか?」

🦉「……設計が先ですか?」

💼「その前にもっと大事なことがある。要件定義だ。何を解決したいのか、どんな機能が必要なのか、利用者の要求を明確にする。そこからSDLC(Systems Development Life Cycle:システム開発ライフサイクル)が始まる」

先輩はホワイトボードに流れを描いた。

インプット(冒頭プレビュー)

この章の試験での位置づけ

CPA Exam Blueprint(試験設計図) とは、AICPAが公式に公表している「試験で何が、どのくらいの比率で、どのレベルで問われるか」を定めた文書です。 全ての出題はこのBlueprintに基づいて作成されます。つまり Blueprintを知ることは、試験の設計者の意図を知ること です。

項目内容
所属エリアArea I -- Information Systems and Data Management
Blueprint参照I-A: Understanding IT architecture and IT infrastructure(IS部門の組織構造・職務分離)
エリア出題比率35--45%
求められるスキルレベルApplication(適用) --- 役職名の暗記ではなく、「誰が何をすると統制違反になるか」を場面に適用する

Key points of this Chapter: IS部門の組織構造は、IT内部統制の出発点。職務の分離(Segregation of Duties: SoD) ―特に開発(Programmer)・運用(Operator)・DBAの三者の独立性―が最頻出。CIO/CISO/CTOの報告ライン、SoD確保が困難な小規模組織での補完的統制(Compensating Controls)も頻出。MCでは役職名と職務内容のマッチング、TBSではSoD違反シナリオの是正統制を問う問題が定番。

前提知識 --- この章に入る前に、分かっているとラクなこと

前提知識なぜ必要か
Chapter 1の情報システム基盤IS部門が管理するハードウェア・ソフトウェア・ネットワーク・データベースの概要を知っていないと、各役割(DBA、ネットワーク管理者等)の具体的な業務内容がイメージしにくい
Chapter 2のITガバナンスIS部門はITガバナンスの枠組みの中で「実行」を担う部門。COBITやCOSOの全体像を理解していると、IS部門の位置づけと報告ラインが明確になる
内部統制の基礎概念職務の分離は内部統制の核心的な統制活動。Chapter 4で体系的に学ぶが、「1人に権限が集中すると不正のリスクが高まる」という発想があると本章の吸収が速い

1. なぜこの論点が必要か(Why)

ISC科目の全体像 --- 今どこにいるか

【ISC科目の全体構造】

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