KAIRO
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16Chapter 16

証明業務・保証業務

Attestation and Assurance Services

ストーリー(冒頭プレビュー)

🦉 Episode 16: 「監査」の外の世界

カイロウが監査法人に入って数ヶ月。財務諸表監査の仕事にもだいぶ慣れてきた頃、先輩から声がかかった。

💼「カイロウ、明日から別のチームに入ってもらう。今度の仕事は監査じゃない」

🦉「監査じゃない? でも僕たち監査法人ですよね?」

💼「監査法人の仕事は、財務諸表監査だけじゃないんだ。今回のクライアントは、自社のセキュリティ体制について第三者の報告書が欲しいと言っている。これは証明業務(Attestation Engagement)の一種だ」

🦉「証明業務……?」

💼「財務諸表の監査では、経営者が作った決算書が正しいかどうかを検証する。でも世の中には、決算書以外にも『誰かに保証してほしいもの』がたくさんある。たとえばセキュリティ体制、法令遵守の状況、将来の業績予測。そういった対象に対して、CPAが検証や報告を行うのが証明業務だ」


翌日、カイロウは新しいチームのミーティングに参加した。壁には「SOC 2 Type II」と書かれたプロジェクト概要が貼られている。

💼「今回の仕事はSOC報告書の作成だ。クライアントはクラウドサービスを提供している会社で、顧客企業から『おたくのセキュリティは大丈夫なのか』と聞かれている。その答えとして、第三者であるCPAが検証した報告書を出す」

🦉「SOCって何の略ですか?」

💼「System and Organization Controls。組織のシステム統制に関する報告書だ。SOC 1は財務報告に関連する統制、SOC 2はセキュリティや可用性といったTrust Services Criteriaに基づく統制、SOC 3は一般公開用の簡易版。今回はSOC 2のType IIだから、一定期間にわたる統制の運用状況を検証する」

🦉「監査と似てるけど、対象が財務諸表じゃなくてセキュリティ体制ということですね」

💼「そう。そして重要なのは、証明業務には監査と同じく独立性が求められるということだ。どの形態の証明業務でも、CPAはクライアントから独立していなければならない」


プロジェクトが進む中で、カイロウは別の案件の話も耳にした。

🦉「先輩、隣のチームは何をやっているんですか?」

💼「あれは合意された手続(Agreed-Upon Procedures)だ。AUPとも呼ぶ。クライアントと事前に『何を調べるか』を合意して、その手続を実施して結果を報告する。意見も結論も述べない。ただ事実を報告するだけだ」

🦉「保証を提供しないんですか?」

インプット(冒頭プレビュー)

この章の試験での位置づけ

CPA Exam Blueprint(試験設計図) とは、AICPA(米国公認会計士協会)が公式に公表している「試験で何が、どのくらいの比率で、どのレベルで問われるか」を定めた文書です。 全ての出題はこのBlueprintに基づいて作成されます。つまり Blueprintを知ることは、試験の設計者の意図を知ること です。

項目内容
所属エリアArea IV -- Forming Conclusions and Reporting(結論の形成と報告)
Blueprint参照IV-C: Reporting on attestation engagements; IV-D: Reporting on other assurance engagements
エリア出題比率10--20%
求められるスキルレベルApplication(適用) --- 各業務形態の違いと報告書の特徴を場面に応じて判断する

このChapterのポイント: Chapter 16は監査以外の保証・証明業務の全体像を扱う。検証・レビュー・AUPの3形態の保証水準の違い、SOC報告書の種類判定、予測財務諸表のForecast vs Projectionの使い分けが最頻出。

前提知識 --- この章に入る前に、分かっているとラクなこと

前提知識なぜ必要か
監査報告書の構造(Chapter 3)検証報告書は監査報告書に類似している。監査報告書の構成を知っていると証明業務の報告書が理解しやすい
レビュー業務(Chapter 15)非公開会社のレビューで学んだ「限定的保証」の概念がそのまま証明業務のレビューに適用される
内部統制の基本(Chapter 6)SOC報告書は内部統制に関する報告であり、COSOの5構成要素やTrust Services Criteriaの前提知識があると吸収が速い
独立性(Chapter 19)証明業務では全ての形態でCPAの独立性が要求される。独立性の基本概念を理解しておくとよい

1. なぜこの論点が必要か(Why)

監査プロセスの全体像 --- この章の位置づけ

【監査の全体フロー】

契約        計画        リスク評価      内部統制の       統制テスト      実証性テスト     完了手続       報告
(Ch5)  →  (Ch5)  →   (Ch2)     →   理解(Ch6)   →   (Ch7)     →    (Ch8-9)    →   (Ch10-11)  →  (Ch3-4)

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                    Ch16は「監査以外の保証・証明業務」を扱う

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