KAIRO
KAIRO
6Chapter 6

C Corporation(株式会社)

C Corporation

ストーリー(冒頭プレビュー)

🦉 Episode 6: 不透明な壁 --- C Corporationの世界

翌週の月曜日。先輩のデスクには先週の2つのコップがまだ置いてあった。先輩が黒いコップを手に取る。

💼「先週、透明なコップ(パートナーシップ)を学んだな。今日はこっちだ。黒い不透明なコップ、C Corporation」

🦉「利益が壁の中に留まって、法人レベルで課税されるんですよね」

💼「その通り。そして配当として外に出すときにもう一度課税される。二重課税だ。これがC Corp.の宿命」

🦉「なぜわざわざ二重課税の事業体を選ぶんですか?」

💼「いくつか理由がある。有限責任、株主数の制限なし、外国人株主OK、複数のクラスの株式発行可能。S Corp.にはこれらの制限がある。大企業はC Corp.でなければならないケースが多い。それに、法人税率は一律21%。高所得の個人事業主にとっては、自分の所得税率(最高37%)より低い場合がある」

カイロウは頷きながら、ペンを走らせた。パートナーシップの「透明さ」とは対照的な「不透明さ」が、C Corp.の税務を支配する。


設立 --- §351の3つの鍵

💼「C Corp.の設立もパートナーシップと同様、原則非課税にできる。ただし§351の3要件を満たす必要がある」

先輩はホワイトボードに3つの鍵を描いた。

💼「第1の鍵: 財産(Property)の移転。サービスはダメだ。現金、不動産、設備、知的財産は全て財産。でも労務の提供で株式を受け取ったら、FMVで課税される」

🦉「パートナーシップでもサービスは課税でしたよね」

💼「そう。サービスの扱いはパートナーシップと同じ。ただし§351の重要な違いがある。第2の鍵: 株式との交換でなければならない。そして第3の鍵: 移転直後に80%以上の支配。この80%は議決権株式の80%かつ全クラスの株式の80%を意味する」

🦉「80%は個人で? それともグループで?」

💼「移転グループ全体で80%。AさんとBさんが一緒に財産を拠出して、2人合わせて80%以上なら要件を満たす。ただしBoot(株式以外の対価---現金や負債の引受け)を受け取ると、Boot額を限度にGainを認識する。Lossは認識しない」

🦉「なぜBootを受け取るとGainが出るんですか?」

💼「非課税の原則は『所有形態の変更にすぎないから課税しない』というもの。でもBootを受け取ると、その分は現金化しているから、もはや純粋な形態変更ではない。現金化した部分に限って課税する」

カイロウの目が輝いた。税法のルールは、理由を知ると一気に理解が進む。


E&P --- 配当の「燃料タンク」

インプット(冒頭プレビュー)

この章の試験での位置づけ

CPA Exam Blueprint(試験設計図) とは、AICPA(米国公認会計士協会)が公式に公表している「試験で何が、どのくらいの比率で、どのレベルで問われるか」を定めた文書です。 TCPはREGと異なり、Application(適用)を超えたAnalysis(分析)レベル――複数の選択肢を比較して最適な租税計画を提案する力が問われる。

項目内容
所属エリアArea II -- Entity Tax Compliance and Planning
Blueprint参照II-B: C corporation taxation
エリア出題比率23--27%
求められるスキルレベルApplication / Analysis --- 設立時の非課税要件、法人税額の計算、E&P・分配処理、DRD、清算、連結納税、そしてOBBBA改正後の減価償却・§163(j)・CAMTを組み合わせた租税計画

このChapterのポイント: C Corporationはパススルーではなく法人レベルで課税される。二重課税(法人税21%フラット + 配当税)が特徴。設立時の§351非課税要件、Book-Tax Difference(M-1/M-3/M-2)、DRD(50%/65%/100%の三段階)、資本損失の制限、NOL(80%制限・繰戻し不可)、E&Pと分配の順序、株式償還、清算、§1244株式の損失、CAMT(Corporate Alternative Minimum Tax)、連結納税、§368組織再編がTBSで頻出。OBBBAによりボーナス償却100%恒久化、§179上限拡大、§163(j)がEBITDAベースに復帰しており、これらが法人税額計算に直結する。

前提知識 --- この章に入る前に、分かっているとラクなこと

前提知識なぜ必要か
Chapter 5: パートナーシップの課税C Corporationとの比較(パススルー vs 法人課税)を通じて理解が深まる
Chapter 1: 個人所得税の計算C Corp.の配当は最終的に株主個人のForm 1040に影響する
REG Ch15: 減価償却・§179・Bonus DepreciationC Corp.の課税所得計算はこれらの償却ルールの上に乗る
Basis の概念株主のStock basisの計算がC Corp.固有の論点になる

1. なぜこの論点が必要か(Why)

【TCP科目の全体構造】

続きとアウトプット演習・整理ノートはTCP教材(購入者限定)でご覧いただけます。

この章は購入者限定コンテンツです

Chapter 1は無料でお読みいただけます。Chapter 2以降は教材を購入するとすべてご覧いただけます。