KAIRO
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14Chapter 14

キャピタルロス制限・特殊資産・Netting統合と関連当事者取引・みなし利息

Part 4: 資産取引Blueprint Area IV 対応・配点 10-20%2026年新試験範囲読了目安 約141分

章構成をAICPA公式の出題範囲(Blueprint)に沿った新カリキュラムに刷新しました。

ストーリー(冒頭プレビュー)

🦉 Episode 14: 弟に売った株、消えた損失

登場: 🦉 カイロウ(新人)/💼 先輩(税務部門)/🏢 中村さん(クライアント)

年末までに損を確定させたい

相談に来たのは、個人で株式投資をしている中村さんだった。手元の資料には、値下がりした銘柄の明細が並んでいる。今年は別の株の売却で6万ドルほどの利益が出ており、その税金を少しでも抑えたいのだという。

🏢「8万ドルで買った株が、今は5万ドルまで下がっていて。年末までに売って、損を確定させたいんです」

🦉「ほかの株で出た利益と相殺できますね。売却先はもう決まっているんですか」

🏢「実は、弟に時価の5万ドルで買い取ってもらおうと思っていて。家族の間なら話も早いですし」

🦉「もう弟さんとは話がついているんですか」

🏢「ええ、来週末に会う予定なので、そのときに株式の名義変更の書類も一緒に渡すつもりです」

🦉「弟さんも、その株に興味があったんですか」

🏢「いえ、頼めば付き合ってくれるだろうという程度です。お金はちゃんと払ってもらいます」

カイロウは資料をめくりながらうなずいた。時価で売るなら、価格の面では問題なさそうに思える。

🦉「時価で売買するなら、それはそれで筋が通っている気がします」

先輩が資料から顔を上げた。

💼「中村さん、弟さんのお名前は、この口座の書類にも出てきますか」

🏢「はい、緊急連絡先として弟の名前を書いています。同じ市内に住んでいるので」

💼「中村さん、その弟さんに売ると、この3万ドルの損失は認められません」

「外に出した」とは扱われない

事務所に戻ってから、先輩が説明してくれた。

💼「売却の相手が家族だと、いくら時価で売っても、その損失はまるごと否認される」

🦉「1円も引けない、ということですか」

💼「そう。一部制限じゃなくて、全額だめだ。兄弟・配偶者・親子といった関係が対象になる」

🦉「でも、実際にお金を払って買い取ってもらうわけですよね。普通の売買と同じに見えます」

💼「形は売買でも、税務上は資産が家族の輪の外に出ていないと見る。だから損失の実現とは認めない」

🦉「時価かどうかは関係なくて、相手が誰かで決まるんですね」

💼「そこが一番の勘違いポイントだ。ここを見落として同じ提案をする人は多い」

🦉「中村さんの申告からは、その3万ドルはもう出てこなくなるんですか」

💼「中村さんの側からは、完全に消える。今年の利益と相殺することはできない」

🦉「フクロウも、餌を仲間に分けても、縄張りの外には出ていないのと似ていますね」

インプット(冒頭プレビュー)

この章の試験での位置づけ

項目内容
所属エリアArea IV: 資産取引(Property Transactions)
Blueprint参照Area IV-B(資産処分における損益の金額・性質と相殺処理)/Area IV-C(関連当事者取引、みなし利息を含む)
エリア出題比率10%〜20%(中央値15%)

⏱ 読了目安: 約109分(インプット教材のみ・個人差があります)。一度に読み切る必要はありません。キリのよいセクションで区切って進めてください。

資産取引エリアの中でも本章が扱うのは、「損失をどこまで使えるか」「相手が誰かによって扱いが変わるか」という、キャピタルゲイン・ロス計算の応用論点である。個々の資産の譲渡損益そのものではなく、複数の取引をまたいだ「制限」と「再構成」の仕組みに焦点を当てる。


前提知識 --- この章に入る前に、分かっているとラクなこと

前提知識なぜ必要か
譲渡損益の基本算定(実現・認識の考え方)本章のキャピタルロス制限やネッティングは、個々の取引ですでに算定済みの譲渡損益を積み上げて扱う。ゼロから損益を計算する話ではない
保有期間の判定(1年超で長期、1年以内で短期)ネッティングは短期・長期を区分して通算するため、この判定が土台になる
通常所得の課税所得計算の大まかな構造本章で登場する特別税率区分(0%/15%/20%/25%/28%)は、通常所得にかかる税率とは別枠で適用される。通常所得側の計算がすでに終わっている前提で読み進める
§1231資産(事業用資産)の年間ネット処理純§1231利得は長期キャピタルゲインとして本章のネッティングに合流する(§1231自体の判定基準は別の章で扱う)

1. なぜこの論点が必要か(Why)

【資産取引(Property Transactions・Area IV)の全体像】

  IV-A: 非課税の資産処分        IV-B: 損益の金額・性質とNetting       IV-C: 関連当事者取引・
  (Like-kind交換等)             (キャピタルロス制限・特殊資産・       みなし利息
  ※別の章で扱う                    Netting統合)                     (§267・§318・§7872)
                                 ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
                                              ← 今ここ(本章) →

キャピタルゲインとキャピタルロスは、税務上まったく対称には扱われない。ゲインが出れば原則としてその全額に課税される一方、ロスは「いくらでも自由に通常所得と相殺してよい」ものではなく、複数の場面で意図的にブレーキがかけられている。

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§ Summary Notes — TCP

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