KAIRO
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14Chapter 14

リース会計(借手)・公正価値測定・後発事象

Part 3: 特定の取引Blueprint Area III 対応・配点 25-35%読了目安 約201分

章構成をAICPA公式の出題範囲(Blueprint)に沿った新カリキュラムに刷新しました。

ストーリー(冒頭プレビュー)

🦉 Episode 14: 借りているだけ、では済まなくなった

登場: 🦉 カイロウ(新人)/💼 先輩(会計アドバイザリー部門)/🏢 前田さん(クライアントの経理担当)

5年分の約束は、どこに書くのか

前田さんの会社は、新しい店舗で使う冷蔵ショーケースや陳列棚一式を5年契約でリースした。月々15万円のリース料はすでに契約書で決まっていて、金額が変わることはない。カイロウと先輩は、この店舗の開業にあわせた会計処理の確認で訪れていた。

決算の支援に来ていたカイロウは、契約書と帳簿を見比べていて、手を止めた。5年分の支払いがもう約束されているのに、貸借対照表にはリースに関する数字がどこにも出てこない。毎月の支払額に、什器の名前が付いた費用の科目があるだけだった。15万円かける60か月、単純に計算しても900万円になる。

🦉「前田さん、この什器のリース、5年間の支払額はもう決まっていますよね。それでも貸借対照表には何も出てこないんですか」

🏢「リースなので、資産でも負債でもないと思っていました。毎月の支払いは、家賃と同じように費用として処理しています」

前田さんは契約書のファイルをめくり、解約条項のページを開いた。

🦉「この契約、途中で解約したくなったらできるんですか」

🏢「いえ、5年間は中途解約できない契約になっています。什器のリース会社に、そういう条件で見積もりを頼んだので」

🦉「だとしたら、残り5年分の支払いは、もう約束されているのと同じですよね」

前田さんは、そんなふうに考えたことはなかったという顔をした。

🦉「購入せずにリースにしたのは、何か理由があったんですか」

🏢「新規出店が続いているので、初期費用をできるだけ抑えたかったんです。まとめ買いだと、開店資金を圧迫してしまうので」

カイロウは資料を見つめたまま考え込んだ。5年分の支払い義務がすでにあるのに、それを「借りているだけ」で片付けてしまっていいのだろうか。

先輩の一言で変わる見方

💼「今は、ほとんどのリースが貸借対照表に出る。契約した時点で、この先の支払い義務を負債として計上して、同時に使う権利を資産として計上する」

🦉「毎月ただ払うだけだと思っていたのに、契約した瞬間に両方乗るんですか」

💼「そう。『借りているだけだから資産でも負債でもない』という考え方は、もう通用しない。例外は、契約期間がごく短いリースくらいだ」

フクロウも木のうろを間借りすることがあるが、さすがに契約書を交わした覚えはない。カイロウは少しおかしくなりながらも、5年契約という言葉の重みが変わったのを感じた。ただの支払いの約束ではなく、今この瞬間に決算書へ映すべき数字だった。

本編で確かめたいこと

インプット(冒頭プレビュー)

この章の試験での位置づけ

項目内容
所属エリアArea III:特定の取引(Select Transactions)
Blueprint参照Area III-E-1(リース)/Area III-F-1(公正価値測定)/Area III-G-1(後発事象)
エリア出題比率25〜35%(Area III全体の出題比率)

⏱ 読了目安: 約142分(インプット教材のみ・個人差があります)。一度に読み切る必要はありません。キリのよいセクションで区切って進めてください。

Area III(特定の取引)の中でも、本章はリース会計(借手)・公正価値測定・後発事象という3つの論点をまとめて扱う。共通するのは、いずれも「取引をどう記録するか」ではなく「金額をどう測定し、いつ・どこまでの情報を財務諸表に反映させるか」というルールを扱う点である。3つとも一見バラバラに見えるが、読み終える頃には「測定と開示のルール」という1本の軸でつながって見えるはずである。


前提知識 --- この章に入る前に、分かっているとラクなこと

前提知識なぜ必要か
現在価値(Present Value)の計算リース負債・使用権資産の当初測定は、将来のリース料を割引率で現在価値に引き直して算定するため
実効金利法(Effective interest method)ファイナンス・リースの利息費用は「期首の負債残高 × 利率」で計算する。社債の償却原価法と同じ考え方である
減価償却の基本的な考え方使用権資産の償却は、固定資産の減価償却と同じロジック(取得原価を耐用年数にわたって配分する)で行われるため
財務諸表の作成・承認から発行までの大まかな流れ後発事象の評価期間は「財務諸表が発行される日」を基準にするため、決算から発行までのプロセス感覚が前提になる

1. なぜこの論点が必要か(Why)

【Area III: 特定の取引 の全体像】

III-A 収益認識 → III-B 会計上の変更・誤謬の訂正 → III-C 偶発事象とコミットメント → III-D 法人税等
    → III-E リース(借手) → III-F 公正価値測定 → III-G 後発事象
                    ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
                              ← 今ここ(この章) →

ここまでの学習でArea III-A〜III-D(収益認識・会計上の変更と誤謬の訂正・偶発事象とコミットメント・法人税等)を扱ってきた前提のもと、本章ではArea IIIの残り3論点---リース会計(借手)・公正価値測定・後発事象---をまとめて扱う。

一見バラバラな3論点だが、共通点がある。想像してほしい。あなたが経理担当者だったとして、次の3つの状況にどう対応するだろうか。

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§ Summary Notes — FAR

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