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2026-04-04更新: 2026-08-01

USCPAの年収はいくら?勤務先・職位別レンジと回収期間を実額で解説

USCPA年収キャリア転職

「USCPAを取ったら、年収は実際いくらになるのか」——受験を検討している方が最初に知りたいのは、この一点だと思います。

結論から言うと、USCPA保有者の年収は「どこで・どの職位で働くか」でほぼ決まります。求人ベースの提示年収は350万円から1,500万円まで幅広く分布し(出典: マイナビ会計士コラム、2026年3月更新)、勤務先によってはパートナー級で2,000万〜3,000万円クラスに届くレンジも示されています(出典: CPASSキャリア、2026年5月更新)。「USCPA=年収◯◯万円」という単一の答えは存在しません。

この記事では、勤務先別・職位別の年収レンジを出典付きの実額で整理した上で、年代別の転職決定年収という「実測値」、日本の公認会計士(JCPA)や米国水準との比較、そして筆者カイロウ自身の実測データ(約807時間・約100万円)を使った投資回収シミュレーションまで解説します。


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【結論】USCPAの年収レンジ|最初に全体像を即答します

まず、複数の公開データを並べて全体像を示します。

見方 年収レンジ 出典
USCPAを条件・歓迎とする求人全体 350万〜1,500万円 マイナビ会計士コラム(2026年3月更新)
USCPA必須求人の平均年収 560万〜1,130万円 CPA会計学院(2026年8月時点)
年代別の転職決定年収(実測) 20代平均538万円〜50代平均927万円 MS-Japan自社転職決定データ(2022年4月〜2023年3月集計)
勤務先別の理論上の上限 大手監査法人・コンサルで3,000万円クラス CPASSキャリア(2026年5月更新)

参考として、日本の給与所得者全体の平均給与は478万円(正社員545万円)です(出典: 国税庁 令和6年分民間給与実態統計調査、2025年9月公表)。USCPA必須求人の平均レンジ560万〜1,130万円は、下限でも全体平均を上回る水準にあります。

正直な前提:「USCPA限定」の公的な年収統計は存在しません

最初に誠実にお伝えしておきたいことがあります。USCPA保有者だけを対象にした公的な年収統計は、日本には存在しません。

厚生労働省の賃金構造基本統計調査には「公認会計士・税理士」という職種区分がありますが、これは日本の公認会計士と税理士を対象としたもので、USCPA保有者だけを抽出することはできません。つまり、日本の公認会計士(JCPA)については「厚生労働省統計で平均約856万円」という公的な数字が出せるのに対し、USCPAについては同じ精度の公的データがないのです(出典: 厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査)。

だからこそ、この記事ではネット上にありがちな「USCPAの平均年収は◯◯万円です」という出所不明の断言をしません。その代わりに、出典を明示した民間データ(予備校・転職エージェントの公表値、公開求人の提示年収、転職決定年収の実測値)を複数組み合わせて、実態に近いレンジを立体的に示します。数字の一つひとつに出典と年次を付けているのは、そのためです。


勤務先別|職位×年収レンジの早見表

USCPAの年収を左右する最大の変数は「勤務先の種類」です。同じ資格でも、監査法人・FAS・コンサル・事業会社・金融で報酬カーブがまったく違います。勤務先ごとに、職位別のレンジを見ていきます。

大手監査法人|スタッフ500万〜650万円、マネージャー900万〜1,100万円

USCPA保有者の代表的な就職先である大手監査法人の職位別年収は、次のレンジが目安とされています(出典: USCPA予備校公表コラム、2024年6月更新)。

職位 年収レンジ
スタッフ 500万〜650万円
シニアスタッフ 700万〜850万円
マネージャー 900万〜1,100万円
シニアマネージャー 約1,200万円
パートナー 1,500万円以上

スタッフからシニア、シニアからマネージャーへの昇進のたびに年収が約200万円刻みで上がっていく構造です。マネージャー昇進が年収1,000万円ラインの現実的な通過点になります。なお、職種別レンジとして大手監査法人450万〜3,000万円という幅を示すデータもあり(出典: CPASSキャリア、2026年5月更新)、上はパートナー級まで青天井に近い世界です。

重要なのは、大手監査法人系ではUSCPAと日本の公認会計士とで待遇差は大きくないとされている点です(出典: CPA会計学院、2026年8月時点)。同じ法人で同じ職位なら、資格の種類より「何ができるか」で処遇が決まります。

中堅監査法人|スタッフ400万〜550万円、マネージャー800万〜1,000万円

中堅クラスの監査法人は、大手監査法人よりおおよそ100万〜200万円低い水準になります(出典: USCPA予備校公表コラム、2024年6月更新)。

職位 年収レンジ
スタッフ 400万〜550万円
シニアスタッフ 500万〜650万円
マネージャー 800万〜1,000万円
シニアマネージャー 1,000万〜1,200万円
パートナー 1,300万円以上

水準は大手に一歩譲りますが、その分、採用ハードルや働き方の面で選択肢になり得ます。監査経験を積んでから大手やFASへ移る「二段ロケット」の起点としても機能します。

FAS(財務アドバイザリー)|アソシエイト700万〜900万円、マネージャー1,300万〜1,800万円

M&Aや企業再生などを手がけるFASは、USCPA保有者のキャリアの中でも報酬水準が高いフィールドです(出典: マイナビ会計士コラム、2026年3月更新)。

職位 想定年収
アソシエイト 700万〜900万円
シニアアソシエイト 1,000万〜1,400万円
マネージャー 1,300万〜1,800万円
パートナー 2,000万円以上

実際の公開求人でも、未経験可のスタッフクラスで480万〜1,000万円、FAS経験3年以上のシニアクラスで700万〜1,500万円という提示年収が確認されています(出典: マイナビ会計士コラム、2026年3月更新)。想定年収表と実求人の下限に差があるのは、未経験入社の場合は一段低いスタートになるためです。

筆者カイロウ自身もUSCPA学習を経てFASに入社しました。FAS転職の実態——未経験からの入り方、選考で何が見られるか——はUSCPAでFAS転職は本当にできるのかで一次体験ベースで詳しく書いています。

コンサルティング・アドバイザリー|450万〜3,000万円と最も幅が大きい

コンサルティングファーム・アドバイザリーは、職種別レンジとして450万〜3,000万円という非常に広い幅が示されています(出典: CPASSキャリア、2026年5月更新)。一方で、コンサルティングファームの平均は500万〜800万円程度という控えめなデータもあります(出典: MS-Japan、2024年7月公開)。

この2つの数字の乖離こそがコンサル業界の特徴です。ファームの規模・領域(戦略系か業務系か財務系か)・個人の成果によって、報酬が大きく上下にブレます。USCPAは財務・会計領域のアドバイザリーで武器になりますが、資格そのものより「プロジェクトで成果を出せるか」が報酬を決める世界だと理解しておくべきです。

事業会社の経理・財務|大手上場500万〜1,500万円、外資系550万〜1,400万円

事業会社(インハウス)の経理・財務でも、USCPAは評価されます(出典: CPASSキャリア、2026年5月更新)。

勤務先 年収レンジ
大手上場企業の経理 500万〜1,500万円
外資系企業の経理 550万〜1,400万円
組織内会計士(企業内)全体 350万〜2,000万円

キャリア段階別の目安も公表されています。USCPA取得直後の初年度は、日系会計事務所・中小監査法人スタッフで400万〜550万円、外資系企業の経理部門スタッフで500万〜650万円が相場とされ、実務経験3〜5年の外資系シニアアカウンタントで600万〜800万円に上がります(出典: ジャスネットキャリア、2026年1月公開)。

30代でマネージャー職に就くと、外資系企業のアカウンティングマネージャーで800万〜1,200万円、日系グローバル企業の連結決算マネージャーで700万〜1,000万円が目安です(出典: ジャスネットキャリア、2026年1月公開)。監査法人やFASと比べるとワークライフバランスを取りやすい傾向があり、「1,000万円は必須ではないが、専門性と生活の両立を重視したい」方には最有力の選択肢です。経理職としての資格戦略は経理のキャリアアップ資格比較でも整理しています。

金融機関|550万〜2,500万円

証券会社などの金融機関でも、USCPA保有者の職種別年収は550万〜2,500万円というレンジが示されています(出典: CPASSキャリア、2026年5月更新)。投資銀行部門やリサーチ部門で会計・財務の専門性が求められる場面は多く、上限は事業会社より高い一方、成果主義の色も濃くなります。会計×英語のスキルセットを金融の高報酬環境で活かす、というルートです。


転職の実データ|年代別の「転職決定年収」はいくらか

ここまでのレンジは「求人票や想定値」の話でした。次に見るべきは、実際に転職が決まった人の年収です。理想値ではなく実測値だからです。

転職エージェントMS-Japanを利用して転職したUSCPA有資格者の転職決定年収は、次のとおりです(出典: MS-Japan自社転職決定データ、集計期間2022年4月〜2023年3月)。

年代 平均 中央値
20代 538万円 501万円
30代 600万円 560万円
40代 745万円 720万円
50代 927万円 900万円
全年代 666万円 603万円

このデータから読み取れることが3つあります。

第一に、年代が上がるほど決定年収が上がっていることです。20代538万円から50代927万円まで、経験年数に比例して右肩上がりです。USCPAは「若いうちしか使えない資格」ではなく、むしろ実務経験と掛け合わせるほど価値が増す資格だと分かります。

第二に、中央値が平均をやや下回っていることです(全年代で平均666万円に対し中央値603万円)。一部の高年収決定者が平均を引き上げている構造なので、「自分の場合」を見積もるなら中央値ベースで考える方が堅実です。

第三に、20代の平均538万円は給与所得者全体の平均478万円を上回っていることです(全体平均の出典: 国税庁 令和6年分民間給与実態統計調査)。キャリアの浅い20代でも、USCPA×転職で全体平均超えの水準からスタートできている、というのは現実的な希望だと思います。

なお、この数字はあくまで「転職した人」の決定額です。転職せず社内評価・昇進で活かすルートもあります。USCPA転職の全体戦略——タイミング、職務経歴書での見せ方、エージェントの使い方——はUSCPA転職の実態と転職戦略で詳しく解説しています。


公開求人に見る提示年収の実例【2026年8月時点】

抽象的なレンジだけでなく、実際の求人票の提示年収も見ておきます。以下はいずれも2026年8月時点の公開求人例です(掲載求人は随時変動します。企業が特定されないよう業種で丸めて表記しています)。

求人の種類 提示年収 出典
大手電機メーカーの財務・経理(連結決算・管理会計) 680万〜760万円 マイナビ会計士 公開求人
大手総合商社の経理(IFRS連結決算・税務) 700万〜1,500万円 マイナビ会計士 公開求人
ディスクロージャー支援会社の会計職 500万〜1,000万円 マイナビ会計士 公開求人
大手メーカー系子会社の経理財務職 500万〜1,000万円 MS-Japan 公開求人
海外ビジネスアドバイザリー職 700万〜1,200万円 MS-Japan 公開求人
M&Aコンサルの財務デューデリジェンス職 600万〜1,000万円 MS-Japan 公開求人
グローバル企業の連結決算・税務職 672万〜1,296万円 MS-Japan 公開求人

実例を見ると、事業会社系でも上限1,000万円超の求人が普通に存在すること、そして「IFRS連結」「海外」「M&A」といったキーワードが付く求人ほどレンジが高いことが分かります。USCPAが評価されるのは、まさにこの「英語×会計×グローバル」の交差点にある業務です。逆に言えば、国内業務だけの経理求人ではUSCPAのプレミアムは乗りにくい、ということでもあります。


日本の公認会計士(JCPA)との年収比較

「JCPAと比べてどうなのか」は必ず聞かれる論点なので、公的統計ベースで整理します。

JCPAには公的統計がある:平均約856万円

厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、職種「公認会計士・税理士」(企業規模10人以上)の平均年収は約856万円です(出典: 厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査)。企業規模別に見ると、差がはっきり出ます。

企業規模 平均年収
10〜99人 約661万円
100〜999人 約764万円
1,000人以上(大手監査法人が該当する規模) 約1,044万円

(出典: 厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査)

つまり「JCPAだから856万円」なのではなく、大手監査法人という高報酬フィールドに所属している人が平均を押し上げている構造です。

差を生むのは資格ではなく「フィールドとポジション」

ここで、この記事の勤務先別データを思い出してください。USCPA保有者でも、大手監査法人ならマネージャー900万〜1,100万円(出典: USCPA予備校公表コラム、2024年6月更新)、FASならマネージャー1,300万〜1,800万円(出典: マイナビ会計士コラム、2026年3月更新)に届きます。大手監査法人系ではUSCPAとJCPAの待遇差は大きくないという指摘もすでに紹介したとおりです(出典: CPA会計学院、2026年8月時点)。

つまり、「JCPAの方が年収が高い」のではなく「JCPA保有者は高報酬フィールド(大手監査法人)にいる比率が高い」というのが正確な理解です。USCPA保有者も同じフィールドの同じポジションに立てば、同水準の報酬に到達できます。年収を決めるのは資格の種類ではなく、フィールドとポジションです。

一方で、取得コストは大きく違います。学習時間の目安はJCPAが3,000〜5,000時間、USCPAが1,000〜1,500時間で、3倍前後の差があります(詳細はUSCPAと日本の公認会計士の徹底比較参照)。「投資時間あたりのリターン」という会計士的な見方をすれば、USCPAの効率は際立ちます。独占業務の有無や試験制度の違いを含めた選び分けは、同記事で深掘りしています。


米国におけるUSCPA・会計士の年収水準

USCPAは米国のライセンスなので、米国水準も押さえておきます。

米国労働統計局(BLS)によると、米国の会計士・監査人の年収中央値は約81,680ドル(2024年5月時点)です。1ドル150円で換算すると約1,225万円に相当します(出典: 米国労働統計局〔BLS〕、2024年5月時点)。

日本の給与所得者平均478万円(出典: 国税庁 令和6年分民間給与実態統計調査)と比べると、中央値ベースで2倍以上の開きがあります。もちろん、為替レート・物価・生活費・社会保障制度が違うため単純比較はできません。それでも、USCPAが「日本市場の外でも通用する報酬水準への扉」を開くライセンスであることは、この数字が示しています。

実際には、いきなり米国で働かなくても、外資系企業の日本法人・海外駐在・グローバル部門といった「日本にいながら米国水準に近づくポジション」が現実的なステップになります。前述の公開求人例で「IFRS」「海外」付き求人のレンジが高かったのは、この構造の表れです。


【試算】投資回収シミュレーション|807時間と約100万円は何年で回収できるか

ここからがこの記事の本題です。筆者カイロウは、USCPA取得を「投資」として捉えるべきだと考えています。投資である以上、問うべきは「いくらかかるか」ではなく「何年で回収できるか」です。ここでは筆者の実測データを投資額に、ここまでの出典付き年収データをリターンに置いて、回収期間を試算します。

なお、これはあくまで前提を明示した上での試算(シミュレーション)です。個人の状況によって結果は変わりますが、「前提を置いて数字で考える」フレーム自体は誰でも使えます。

投資側:実測807時間+費用約100万〜140万円

筆者は簿記2級のみ・海外経験なしの状態から学習を始め、9ヶ月で全4科目に一発合格しました。科目別の実測学習時間は次のとおりです。

科目 学習時間(実測) スコア
FAR 約300時間 88点
BAR 約200時間 90点
AUD 187時間(約50日) 84点
REG 約120時間(約30日) 89点
合計 約807時間 全科目一発合格

ペースは平日2時間・週末4時間。週あたり18時間(平日2時間×5日+週末4時間×2日)の投下で、約9ヶ月かかった計算です。働きながらでも捻出できる範囲の時間だったと思います。一般的な目安は1,000〜1,500時間とされるので(勉強時間の詳細参照)、筆者の807時間はやや短い部類です。試算では保守的に「1,000時間前後かかるもの」と見ておくのが安全です。

金銭コストは、標準ケースで総額約100万〜140万円(学歴審査・受験料・予備校・ライセンス登録の合計)。リスキリング補助金を活用できれば実質20万〜60万円まで圧縮できます。内訳と圧縮方法はUSCPA費用の完全ガイドで1項目ずつ分解しているので、投資額の見積もりにはそちらを使ってください。

リターン側:3つのシナリオで回収期間を試算

投資額を標準ケースの100万〜140万円と置き、年収増分(リターン)を出典付きデータから3パターン設定します。回収期間=投資額÷年間増分、という単純なモデルです。

シナリオ 前提(転職前→転職後) 年間増分 回収期間
A:20代・平均的な給与から 給与所得者平均478万円 → 20代転職決定平均538万円 +60万円 約1.7〜2.3年
B:30代・正社員平均から 正社員平均545万円 → 30代転職決定平均600万円 +55万円 約1.8〜2.5年
C:30代・FASアソシエイトへ 正社員平均545万円 → FASアソシエイト下限700万円 +155万円 約0.6〜0.9年

(前提の出典: 転職前年収は国税庁 令和6年分民間給与実態統計調査、転職決定年収はMS-Japan自社データ〔2022年4月〜2023年3月集計〕、FASアソシエイトはマイナビ会計士コラム〔2026年3月更新〕。回収期間は投資額100万〜140万円を年間増分で除して算出)

最も保守的なシナリオBでも約2〜2.5年、FASのような高報酬フィールドに入れたシナリオCなら1年未満で投資額を回収できる計算です。さらに補助金で投資額を実質20万〜60万円に抑えられれば、シナリオBでも回収期間は約0.4〜1.1年(20万〜60万円÷55万円)まで縮みます。

そして、ここが投資としてのUSCPAの本質ですが、回収が終わった後も年収増分は毎年積み上がり続けます。年代別データが示したとおり決定年収は20代538万円から50代927万円へと経験とともに伸びていくため(出典: MS-Japan自社データ)、初期投資の回収はキャリア全体のリターンのほんの入口にすぎません。

一次体験:FAS勤務4ヶ月で感じている「回収」の中身

数字の話だけでなく、実感も書いておきます。筆者は2026年4月にFASへ入社し、執筆時点で勤務4ヶ月です。

日々の業務で最初に「回収」を実感したのは、英文資料を読む速度でした。USCPAの学習は4科目すべてを英語でこなすため、契約書や海外子会社の財務資料を前にしたときの心理的・時間的コストが明らかに小さい。そしてもう一つが「論点の地図」が頭に入っていることです。財務デューデリジェンスの現場で新しい論点にぶつかっても、「これはFARのあの論点の応用だ」「これはREGで見た構造だ」と、どの引き出しを開ければいいかが分かります。ゼロから調べるのと、地図を持って調べるのとでは初動の速さがまったく違います。資格手当のような直接的な金額以上に、この「立ち上がりの速さ」こそが若手にとっての最大のリターンだと感じています。


前提としての費用と難易度(要約)

年収の話の前提として、費用と難易度も一言だけ。取得費用は標準ケースで総額約100万〜140万円、補助金活用で実質20万〜60万円まで圧縮可能です(詳細はUSCPA費用ガイド)。学習時間の一般的な目安は1,000〜1,500時間、試験は4科目の科目合格制で、合格率は科目別40〜80%と絶対評価ゆえに数字上は高めに出ます。ただし「簡単」という意味ではありません。難易度の実像——科目別の合格率、他資格との比較、挫折パターン——はUSCPA難易度ガイド科目ガイドに譲り、本記事では深掘りしません。予備校選びで費用は大きく変わるため、比較検討には予備校比較記事をどうぞ。


USCPAの年収に関するよくある質問

Q1. USCPA保有者の公的な年収統計はありますか?

ありません。厚生労働省の賃金構造基本統計調査には「公認会計士・税理士」区分がありますが、USCPA保有者だけを抽出した公的統計は存在しません。この記事で示した数字は、予備校・転職エージェントの公表データ、公開求人の提示年収、転職決定年収の実測値など、出典を明示できる民間データです。「USCPAの平均年収は◯◯万円」と出典なしに断言する情報には注意してください。

Q2. USCPAとJCPA、年収が高いのはどちらですか?

統計上はJCPA側に厚労省ベースの平均約856万円という数字があり(出典: 厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査)、予備校集計では平均1,043万円というデータもあります(出典: 資格の学校TAC、同調査を基に集計)。ただしこれは大手監査法人という高報酬フィールドの在籍比率の高さを反映したもので、同じフィールド・同じ職位ならUSCPAとJCPAの待遇差は大きくないとされています(出典: CPA会計学院、2026年8月時点)。差を生むのは資格ではなくフィールドとポジションです。詳しい比較はUSCPAとJCPAの徹底比較をご覧ください。

Q3. 科目合格の段階でも年収は上がりますか?

科目合格の段階でも、転職市場での評価は上がり始めます。特にFARに合格していれば会計知識の証明として機能し、応募できる求人の幅が広がります。ただし提示年収に明確なプレミアムが乗るのは、やはり全科目合格+実務経験のセットが揃ってからです。「科目合格を職務経歴書にどう書くか」も含め、FARの攻略はFARガイドを参照してください。

Q4. 20代・40代でも年収アップは狙えますか?

狙えます。転職決定年収の実測データでは、20代平均538万円、40代平均745万円、50代でも平均927万円と、どの年代でも給与所得者全体の平均478万円を上回る水準で決定しています(出典: MS-Japan自社データ〔2022年4月〜2023年3月集計〕、全体平均は国税庁 令和6年分民間給与実態統計調査)。年代別の戦い方の違いは年代別USCPA戦略で整理しています。

Q5. 実務未経験だと初年度はいくらぐらいですか?

USCPA取得直後の初年度は、日系会計事務所・中小監査法人のスタッフで400万〜550万円、外資系企業の経理部門スタッフで500万〜650万円が相場とされます(出典: ジャスネットキャリア、2026年1月公開)。ここから実務経験3〜5年で600万〜800万円(外資系シニアアカウンタント)へ上がっていくのが標準的なカーブです。なお受験自体に実務経験は不要です(受験資格の解説参照)。

Q6. 英語力はどのくらい年収に影響しますか?

USCPAの市場価値の核心は「英語で会計実務ができる証明」なので、影響は大きいと考えるべきです。公開求人例でも「IFRS連結」「海外ビジネス」など英語を使う求人ほどレンジが高い傾向が見えました。資格取得後も英語を使う業務経験を積み続けることが、レンジの上限側に近づく最短ルートです。学習に必要な英語力の目安はUSCPAに必要な英語力で解説しています。

Q7. 米国で働けば年収はもっと上がりますか?

米国の会計士・監査人の年収中央値は約81,680ドル(約1,225万円・1ドル150円換算)です(出典: 米国労働統計局〔BLS〕、2024年5月時点)。日本より水準は高いものの、生活費・税・保険などのコスト構造が違うため、額面の比較だけで判断すべきではありません。現実的には、外資系日本法人や海外駐在ポジションを経由して段階的に近づくルートが王道です。

Q8. 資格を取れば自動的に年収は上がりますか?

上がりません。ここまで見たとおり、年収を決めるのは「資格×フィールド×ポジション」の掛け算です。資格だけ取って行動しなければ、投資は回収されないまま終わります。逆に言えば、転職・異動・昇進のいずれかのアクションとセットで設計すれば、回収期間の試算が示すとおり投資対効果の高い資格です。「そもそも自分は取るべきか」を迷っている方は、あえて否定側の論点を集めたUSCPAはやめとけ?の検証記事を先に読むことをおすすめします。


まとめ|年収は「資格×フィールド×ポジション」で決まる

この記事のポイントを整理します。

  • USCPA限定の公的年収統計は存在しない。出典付きの民間データで見ると、求人ベースで350万〜1,500万円、USCPA必須求人の平均で560万〜1,130万円のレンジ
  • 勤務先で報酬カーブが決まる。大手監査法人はスタッフ500万〜650万円からマネージャー900万〜1,100万円へ、FASはアソシエイト700万〜900万円からマネージャー1,300万〜1,800万円へ
  • 転職決定年収の実測値は20代平均538万円〜50代平均927万円。どの年代でも給与所得者平均478万円を上回る
  • JCPAとの差は資格ではなくフィールドとポジション。同じ土俵なら待遇差は大きくない
  • 投資回収の試算では、実測807時間+約100万〜140万円の投資に対し、保守的なシナリオで約2〜2.5年、高報酬フィールドなら1年未満で回収可能

USCPAは、取れば自動的に年収が上がる魔法の資格ではありません。しかし、投資額と回収期間を数字で設計できる、再現性の高いキャリア投資です。筆者自身、簿記2級から9ヶ月・807時間でこの投資を実行し、いまFASの現場で回収フェーズを走っています。

次の一歩は、投資の中身を具体化することです。

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この記事は、簿記2級のみ・海外経験なしの状態から9ヶ月・約807時間で全4科目に一発合格し、現在FASに勤務する筆者カイロウが、公的統計と予備校・転職エージェントの公開情報、および自身の一次体験に基づいて執筆しました。年収・求人の数値は出典時点のものであり、時期・条件により変動します。

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USCPA全4科目一発合格(9ヶ月・働きながら)× KAIRO開発者

  • 簿記2級からスタートし、留学経験のない純ジャパで働きながら9ヶ月・全4科目に一発合格
  • FAR 88点(約300h)/BAR 90点(約200h・約50日)/AUD 84点(約187h・約50日)/REG 89点(約120h・約30日)
  • 現在FAS業界に勤務。一次体験と実データに基づき教材を開発し、累計100部超が受験生に活用されています。

KAIRO AI 開発者|kairo-ai.jp

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