USCPA REGは2026年7月からOBBBA税制改正が出題範囲に|変更点まとめ
「2026年7月からREGの試験範囲が変わるらしいけど、何がどう変わるの?」
米国公認会計士(USCPA)試験のREG・TCPを受験予定の方に、まず結論からお伝えします。2025年7月4日に成立した米国税制改正法OBBBA(One Big Beautiful Bill Act)が、REGでは2026年7月1日受験分からハードカットオフで出題対象に入ります。 TCPも同じタイミング以降の受験が対象です。
つまり、2026年7月1日以降にREGまたはTCPを受験する人は、標準控除額・児童税額控除・SALT上限・§199A控除など、これまでとは異なる数値・制度を前提に学習し直す必要があるということです。逆に2026年6月末までに受験する人は、旧範囲(TCJA基準)のままで問題ありません。
この記事では、OBBBAの概要から、REG・TCPそれぞれで狙われる変更点、旧教材との数値混同リスクまで、施行年度(TY2025/TY2026)を明記した一次情報ベースで整理します。競合記事がまだ手薄な鮮度の高いテーマですので、受験タイミングの判断材料として活用してください。
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3行まとめ
- OBBBA(HR1 / P.L. 119-21、2025年7月4日成立)はREGでは2026年7月1日受験分からハードカットオフで出題対象。TCPも同ウィンドウ以降が対象
- 標準控除・CTC・SALT上限などTY2025施行の項目とDCAP・遺産贈与控除などTY2026施行の項目が混在しており、年度を無視した暗記は誤答リスクが高い
- 旧教材・過去問はTCJAベースの数値のままの場合があるため、2026年7月以降受験者は施行年度つきの一次情報で数値を上書きする必要がある
OBBBAとは何か(3分で概要)
OBBBA(One Big Beautiful Bill Act、正式法令番号 P.L. 119-21、法案番号HR1)は、2025年7月4日に成立した米国の税制改正法です。2017年のTCJA(Tax Cuts and Jobs Act)で時限措置だった減税項目の多くを恒久化しつつ、チップ・残業代控除や自動車ローン利息控除といった新しい控除項目を時限措置として追加しています。
USCPA受験生にとって重要なのは、以下の3点です。
- 個人所得税(REG中心): 標準控除、児童税額控除(CTC)、SALT上限、チップ・残業代控除、§199A(QBI控除)など、個人・パススルー事業主に関わる項目が広く改正されています。
- 国際課税(TCP中心): GILTIがNCTI、FDIIがFDDEIへ改称され、控除率・実効税率が変更されています。BEAT税率も恒久化されました。
- 施行年度がバラバラ: 同じOBBBAの中でも、TY2025(2025年分、つまり成立年に遡って適用)から施行される項目と、TY2026(2026年分)から施行される項目が混在しています。この年度のズレがUSCPA受験生にとって最大の落とし穴です。
出典: IRS Rev. Proc. 2025-32、Journal of Accountancyほかの一次情報に基づきます。
いつから試験に出るか|受験タイミング別の対応表
REGはAICPA/NASBAのBlueprintに基づき、法改正から一定の準備期間を置いたうえで出題範囲に反映されます。OBBBAについては、REGは2026年7月1日受験分からハードカットオフで新範囲に切り替わることが公表されています。TCPも同様のウィンドウ以降が対象です。
| 受験予定タイミング | 出題範囲 | 対応 |
|---|---|---|
| 〜2026年6月30日受験 | 旧範囲(TCJA基準、OBBBA以前の制度) | 現行の教材・問題集をそのまま使ってよい |
| 2026年7月1日以降受験 | OBBBA反映後の新範囲 | 標準控除・CTC・SALT等の新数値・新制度に対応した教材・問題演習が必要 |
注意したいのは「6月に申込みをしたが受験日は7月にずれ込んだ」ケースです。 出題範囲の切り替えは申込日ではなく実際の受験日(テストセンターでの受験日)を基準にハードカットオフされるため、7月以降に受験する場合は新範囲での対策が必須になります。NTS(Notice to Schedule)の有効期限管理と合わせて、受験日そのものを意識してスケジュールを組んでください。
REGで狙われる主要変更点
REGで特に出題可能性が高いと考えられるのは、個人所得税・パススルー課税に関わる項目です。施行年度を必ずセットで押さえてください。
| 項目 | 施行年度 | 内容 | 試験ポイント |
|---|---|---|---|
| 標準控除額 | TY2025 | Single $15,750 / MFJ $31,500 / HoH $23,625(TY2026: $16,100 / $32,200 / $24,150) | TY2025とTY2026で金額が異なる。設問の課税年度を必ず確認する |
| 児童税額控除(CTC) | TY2025 | $2,200/子、還付ACTC上限$1,700、phase-out MAGI Single等$200,000・MFJ $400,000 | 従来のTCJA水準からの増額。phase-out閾値は据え置きに近いため混同注意 |
| Senior追加控除 | TY2025(2025〜2028限定) | 65歳以上に$6,000/人を追加控除 | 時限措置。標準的な高齢者控除とは別枠であることを理解する |
| チップ控除・残業代控除 | TY2025(2025〜2028限定) | チップ控除上限$25,000、残業代控除Single $12,500 / MFJ $25,000。ともにabove-the-line、phase-out MAGI $150,000 / $300,000 | 「所得控除ではなくabove-the-line控除」という位置づけが出題されやすい |
| 自動車ローン利息控除 | TY2025(2025〜2028限定) | 米国組立の新車ローン利息を上限$10,000まで控除 | 対象が「新車」かつ「米国組立」という条件に注意 |
| SALT上限 | TY2025〜2029、TY2030に復帰 | TY2025 $40,000→TY2026 $40,400、MAGI $500,000超で超過分30%減額(下限$10,000)、2030年に$10,000へ復帰 | TCJA時代の$10,000固定から大幅増額されたが恒久ではない点が出題ポイント |
| §179即時償却 | TY2025〜 | 控除上限$2,500,000、phase-out開始$4,000,000 | 上限額がTCJA時代から倍増していることを押さえる |
| ボーナス減価償却 | 2025年1月19日以降取得資産 | 100%即時償却が恒久化 | 段階的縮小(TCJA終盤の40%等)からの巻き戻しである点に注意 |
| §163(j) 支払利子控除 | TY2025〜 | EBITDAベースの計算方式に恒久復帰 | ATIベース(EBIT寄り)からEBITDAベースへの回帰を理解する |
| §461(l) 超過事業損失制限 | TY2025〜恒久化 | TY2025基準額 Single等$313,000 / MFJ $626,000 | 恒久化された点と金額の両方が問われうる |
| 国内R&E費用 | TY2025〜 | 国内研究開発費の即時費用化が復活 | TCJAで求められた5年償却からの転換 |
| Adoption Credit | TY2025〜 | 上限$5,000部分が還付可能に | 一部還付化という制度変更の方向性を押さえる |
| §199A(QBI控除) | TY2026 | 20%控除の恒久化、phase-in拡大レンジ$75,000/$150,000、最低控除額$400 | TY2026施行である点に注意。TY2025時点では旧ルールのまま |
| 遺産・贈与・GST統一控除 | TY2026 | $15,000,000/人に引き上げ | TCJA時代の水準(引き下げ予定だった$5,000,000台)からの恒久的引き上げ |
| ギャンブル損失の控除制限 | TY2026 | 損失控除は勝金の範囲内でさらに90%に制限(phantom income発生) | 「100%控除できない」という制限強化がREGらしい出題ポイント |
| DCAP(扶養家族care控除) | TY2026 | 上限$7,500(MFS $3,750) | 従来の$5,000枠からの引き上げ |
| AMT(個人代替ミニマム税) | TY2026 | 免除額の恒久化、phase-out閾値$500,000/$1,000,000、phase-out率50% | TCJA水準からphase-out率が変更されている点に注意 |
| 慈善寄付控除 | TY2026 | 非itemizerにabove-the-line $1,000/$2,000、itemizerには新たに0.5% AGI floor | itemizer・非itemizer双方に制度変更があり整理が必要 |
| 1099報告閾値 | TY2026 | 1099-NEC/MISCは$600→$2,000、1099-Kは$20,000・200取引に復帰 | 情報申告の実務論点として出題されやすい |
特に標準控除・CTC・SALT・チップ/残業代控除・§179/ボーナス減価償却・§199Aは個人・パススルー事業主双方に影響が大きく、MC問題・TBSどちらでも狙われやすい論点です。中でも§199AはTY2026施行である点を必ず押さえてください。TY2025の設問では旧ルールが前提になります。
QSBS(§1202・適格中小企業株式)についても、2025年7月4日以降取得の株式に限り、per-issuer上限が$10,000,000から$15,000,000に引き上げられ、段階的除外率(保有3年で50%・4年で75%・5年で100%)、対象法人の総資産上限$75,000,000への引き上げが行われています。REGでも出題対象になり得るため押さえておきましょう。
エネルギー関連税額控除(§25C住宅省エネ控除・§25D住宅用太陽光等・§30D電気自動車控除など)は2025年12月31日で終了となる点も、期限管理の論点として出題可能性があります。
TCPで狙われる変更点
TCPは税務戦略・国際課税・事業体課税を扱う選択科目のため、REGよりも専門的な項目が出題対象になります。
国際課税(TY2026施行)
- GILTI→NCTIへ改称: QBAI(適格事業用資産)の10%有形資産控除が廃止され、§250控除率が50%から40%に引き下げ。結果として実効税率が10.5%から12.6%に上昇。FTC(外国税額控除)のhaircutも80%から90%に緩和。
- FDII→FDDEIへ改称: §250控除率が37.5%から33.34%に引き下げ。実効税率は13.125%から14%に上昇。
- BEAT(軽課税支払に対する税): 税率10.5%が恒久化。
名称変更(GILTI→NCTI、FDII→FDDEI)だけでなく、控除率が引き下げられ実効税率が上昇しているという制度の方向性がTCPでは重要な出題ポイントです。旧名称(GILTI・FDII)で覚えている場合は、新名称と数値の両方をアップデートする必要があります。
QSBS(§1202)
REGと同じ制度ですが、TCPでは事業体選択・出口戦略の文脈で問われやすい論点です。2025年7月4日以降取得株式に限り、per-issuer上限$15,000,000、段階的除外率3年50%/4年75%/5年100%、法人総資産上限$75,000,000という改正内容を押さえてください。
遺産・贈与・GST統一控除
TY2026から統一控除額が$15,000,000/人に引き上げられます。資産税務プランニングの文脈でTCPの出題対象になり得ます。TCJA時代に予定されていた減額(サンセット条項)が回避され、恒久的な高水準に引き上げられた点が改正のポイントです。
学習上の注意|旧教材の数値との混同リスク
OBBBA関連の改正で最も注意すべきなのは、同じ項目でもTY2025とTY2026で数値が異なることです。市販の教材や問題集が改訂前の版のままだと、TCJA時代の数値や、TY2025・TY2026の区別がない数値が掲載されている可能性があります。以下の対照表で「年度とセットで暗記する」意識を持ってください。
| 項目 | TY2025 | TY2026 | 混同リスク |
|---|---|---|---|
| 標準控除(Single) | $15,750 | $16,100 | 年度違いの数値を混同しやすい |
| 標準控除(MFJ) | $31,500 | $32,200 | 同上 |
| 標準控除(HoH) | $23,625 | $24,150 | 同上 |
| 遺産・贈与・GST統一控除 | 旧水準(OBBBA前の制度) | $15,000,000/人 | TY2026施行を「今すぐ適用」と誤解しやすい |
| §199A(QBI控除) | 旧ルール継続 | 20%恒久化+phase-in拡大+最低控除$400 | TY2025時点ではまだ新ルールが適用されない |
| DCAP上限 | 旧水準$5,000 | $7,500(MFS $3,750) | 引き上げ時期を誤認しやすい |
| AMT phase-out閾値 | 旧TCJA水準 | $500,000/$1,000,000で恒久化 | 恒久化のタイミングをTY2025と誤解しやすい |
| 1099-NEC/MISC閾値 | 旧水準$600 | $2,000 | 実務では2026年支払分から適用される点に注意 |
原則は「数値だけを単独で覚えない」ことです。 必ず「この数値はTY2025分か、TY2026分か」をセットで暗記してください。REG・TCPともに設問文に課税年度が明示されるため、年度を読み落とすと正しい数値を選べても誤答になるケースがあります。
また、2026年7月以降に受験する場合は、手元の教材の発行日・改訂履歴を確認し、OBBBA未反映の版であれば一次情報(IRS Rev. Proc.やAICPA Blueprint改訂版)で数値を上書きする作業が必要です。特にオンライン中古の問題集や、2025年前半までに作成された教材は要注意です。
FAQ
Q1. 2026年6月までに受験すれば旧範囲のままですか?
はい。REGはBlueprint上、2026年7月1日受験分からハードカットオフでOBBBA反映後の新範囲に切り替わります。6月30日までの受験であれば、従来のTCJA基準の範囲で問題ありません。ただし申込日ではなく実際の受験日基準である点に注意してください。
Q2. 教材は買い替えるべきですか?
2026年7月以降にREG・TCPを受験する場合は、OBBBA対応済みの教材・問題集への切り替え、または既存教材への一次情報での数値アップデートが必要です。特に標準控除・CTC・SALT・§199Aなど本記事で「厚めに」扱った項目は、改訂の有無を必ず確認してください。2026年6月までの受験であれば、現行教材のままで対応可能です。
Q3. TCPだけの論点はありますか?
はい。NCTI(旧GILTI)・FDDEI(旧FDII)・BEATといった国際課税の改称・税率変更はTCP色が強い論点です。REGでも個人・パススルー中心の論点(標準控除、CTC、SALT、チップ/残業代控除、§179、ボーナス減価償却、§199Aなど)が中心になるため、選択科目としてTCPを受ける方は国際課税パートを重点的に押さえる必要があります。
Q4. AUDやFARにも影響はありますか?
OBBBAは税制改正のため、直接的な出題インパクトはREG・TCPが中心です。FAR・AUD・BAR・ISCで税務会計処理(繰延税金資産・負債の見積り前提など)に間接的な影響が及ぶ可能性はありますが、現時点でCPA EvolutionのBlueprintの明示的な変更点として公表されているのはREG・TCPの範囲です。受験科目の順序を検討する際は、REG・TCPの受験タイミングを軸に判断してください。
まとめ|年度とセットで押さえるのが最短ルート
OBBBAのREG・TCPへの影響を整理すると、次の3点に集約されます。
- REGは2026年7月1日受験分からハードカットオフでOBBBA新範囲に切り替わる。TCPも同様のタイミング以降が対象
- 標準控除・CTC・SALT・チップ/残業代控除・§179/ボーナス減価償却はTY2025施行、§199A・DCAP・遺産贈与控除・AMTはTY2026施行と、施行年度が項目ごとに異なる
- 旧教材・過去問の数値をそのまま覚えるのではなく、「この数値は何年分か」を必ずセットで確認する
制度改正は範囲が広く見えますが、「いつ試験に出るか」「どの年度の数値か」の2軸で整理すれば、対策すべき論点は明確です。焦って全項目を丸暗記するのではなく、本記事の表を軸に施行年度別へ整理し直すところから始めてください。
REGの出題範囲全体の整理はUSCPA REG攻略ガイド、TCP選択を検討している方はUSCPA TCP完全ガイド、選択科目の判断軸で迷っている方はUSCPA選択科目の選び方|BAR・ISC・TCP徹底比較もあわせてご覧ください。試験制度全体の変更点はCPA Evolution新試験制度の全体像、受験当日の段取りはUSCPA試験日当日の完全ガイドでも確認できます。
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カイロウ
USCPA全科目合格 × AI開発者
- 働きながら総期間9ヶ月でUSCPA全4科目合格(FAR・BARは4ヶ月一発、REGは89点)
- Blueprint準拠テキスト+4,500問超の演習+AI模試を開発
- 100名以上のUSCPA受験生が利用中
- FAS業界|2026年7月 全科目合格
KAIRO AI 開発者|kairo-ai.jp
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