KAIRO
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22Chapter 22

ミクロ経済学

Microeconomics

ストーリー(冒頭プレビュー)

Episode 22: スーパーの棚と「見えない手」

カイロウが監査法人に入って半年が経った。ある日、マネージャーの先輩から「新しいクライアントの事業環境を分析してくれ」と頼まれた。クライアントは全国に店舗を展開するオーガニック食品チェーン「GreenLeaf」。

💼「カイロウ、GreenLeafの売上が前年比15%減っている。経営者は『景気が悪いから』と言っているが、本当にそれだけか? 経済学的に考えてみろ」

🦉「経済学、ですか? 監査に経済学が必要なんですか?」

💼「必要だ。AU-C 315は監査人に『事業体とその環境の理解』を求めている。環境には市場の競争構造や価格メカニズムが含まれる。数字の裏にある原因を読めなければ、異常な変動と正常な変動を区別できない」

先輩はカイロウをGreenLeafの店舗に連れて行った。店内を歩きながら、先輩が棚を指差す。

💼「この有機トマト、1個400円。去年は300円だった。値上げの理由は原材料コストの上昇だ。さて、値上げしたら売上はどうなる?」

🦉「普通は売れなくなりますよね。需要の法則......価格が上がれば需要量は減る」

💼「その通り。でもどのくらい減るかが問題だ。ここで登場するのが弾力性(Elasticity)。トマトは代替品が多い。スーパーの普通のトマトでいいやと思う消費者が多ければ、需要は弾力的。少しの値上げで大きく売上が落ちる」

🦉「じゃあ、値上げで売上が15%落ちたのは、弾力的だったからかもしれないんですね」

💼「それだけじゃない。隣のブロックに新しいオーガニック専門店ができたのは知っているか?」

🦉「......知りませんでした」

💼「競合の出現は代替財の増加と同じ効果だ。代替財が増えると、需要曲線そのものが左にシフトする。つまり同じ価格でも売れる量が減る。値上げの影響と競合の影響、両方が同時に起きている可能性がある」


カイロウは事務所に戻り、GreenLeafの市場環境を調べ始めた。すると興味深いことが分かった。オーガニック食品市場全体は年率8%で成長しているのに、GreenLeafだけが売上を落としている。

🦉「先輩、市場全体は成長しています。つまりGreenLeafの問題は景気のせいではなく、競争環境の変化が原因では?」

💼「いい分析だ。市場構造も考えてみろ。GreenLeafの競合は何社ある? 製品の差別化はどうなっている?」

🦉「競合は5社以上。でも商品はどこも似ています。独占的競争に近い市場でしょうか。差別化が弱いなら、価格競争になりやすい」

インプット(冒頭プレビュー)

USCPA AUD --- Chapter 22: Microeconomic Concepts インプット教材

ミクロ経済学

Microeconomic Concepts


この章の試験での位置づけ

CPA Exam Blueprint(試験設計図) とは、AICPA(米国公認会計士協会)が公式に公表している「試験で何が、どのくらいの比率で、どのレベルで問われるか」を定めた文書です。 全ての出題はこのBlueprintに基づいて作成されます。つまり Blueprintを知ることは、試験の設計者の意図を知ること です。

項目内容
所属エリアArea I – Assessing Audit Risk and Developing a Planned Response(監査リスクの評価と計画的対応の策定)
Blueprint参照I-D: Economic concepts relevant to understanding an entity and its environment
エリア出題比率15–25%
求められるスキルレベルRemembering and Understanding / Application(記憶・理解 / 適用) — 概念の理解に加え、事例への当てはめが求められる

このChapterのポイント: ミクロ経済学はAUDの中では「異質」に見えるが、監査人がクライアントの事業環境を理解するために不可欠な知識基盤。 需要と供給の基本メカニズム弾力性の計算と判定市場構造4類型の識別政府規制の影響分析 が最頻出。

前提知識——この章に入る前に、分かっているとラクなこと

前提知識なぜ必要か
基本的な数学(割り算・パーセント変化率)弾力性の計算には「変化率÷変化率」が出てくる。中学数学レベルだが、慌てると間違える
グラフの読み方(X軸・Y軸)需要曲線・供給曲線は全てグラフで表される。「X軸=数量、Y軸=価格」を即座に思い出せること
事業環境の理解(BECの基礎知識)監査人がなぜ経済学を知る必要があるかは、AU-C 315の「事業体とその環境の理解」に直結する
完全競争の直感的イメージ「農家が米を売る」「ガソリンスタンドの価格競争」など、日常の市場の仕組みを想像できれば十分

なぜこの論点が必要か(Why)

監査プロセス全体の中での位置づけ

契約 → 計画 → 内部統制の理解 → 統制テスト → 実証性テスト → 完了・報告
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  ミクロ経済学(Ch22)
  リスク評価に関わる

ミクロ経済学の知識は、クライアントの事業環境(市場構造・競争条件・価格メカニズム)を理解するために使われる。AU-C 315が求める「事業体とその環境の理解」の中核をなす知識基盤である。

想像してほしい。あなたは監査チームの一員として、あるコーヒーチェーンの監査を担当している。

続きとアウトプット演習・整理ノートはAUD教材(購入者限定)でご覧いただけます。

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