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1Chapter 1

ITアーキテクチャ・ネットワークとクラウド・システム開発

Part 1: 情報システムとデータ管理Blueprint Area I 対応・配点 35-45%読了目安 約170分

章構成を新カリキュラムに刷新しました。旧構成との対応は移行ガイドをご覧ください。

USCPA ISC(情報システム・統制)の学習は、まずこのChapter 1「ITアーキテクチャ・ネットワークとクラウド・システム開発」から始まります。ISCは全10章構成で、Chapter 1ではITアーキテクチャ・ネットワークとクラウド・システム開発()の全体像を掴み、Chapter 2「業務アプリケーション・ITの役割・新興テクノロジーとデータガバナンス」以降で各論に入っていきます。このページはカイロウのUSCPA Webテキストの一部で、登録不要・完全無料でChapter 1の全文を公開しています。独学でISCに取り組む方、これから情報システム・統制の学習を始める方に向けて、ストーリー→インプット→演習→整理ノートの4ステップで基礎から学べる構成です。

この章で学べること

  • ITアーキテクチャ・ネットワークとクラウド・システム開発の全体像と、ISC全10章の中での位置づけ
  • に関する基本用語・フレームワークの理解
  • ストーリー教材で概念を掴み、インプット教材で暗記し、アウトプット演習で定着させる学習の型
  • Chapter 2「業務アプリケーション・ITの役割・新興テクノロジーとデータガバナンス」以降の学習につながる土台づくり

🦉 Episode 1: 「クラウドにした」の中身をのぞく

登場: 🦉 カイロウ(新人)/💼 先輩(IT監査部門)/🏢 水野部長(クライアントの情報システム部長)

サーバーが並ぶ部屋

今日の訪問先は、地方に工場を持つ機械部品メーカーだった。情報システムの使われ方を確認する打ち合わせに、先輩と一緒に同行させてもらえることになった。

案内された一室には、背の高いラックがずらりと並んでいた。ファンの音がうなり、扉には温度管理用のシールが貼ってある。排気口から吹き出す風で、カイロウの羽がふわりと揺れた。

🦉「これ全部、この会社のサーバーなんですか。クラウドに移したと聞いていたので、机の上のパソコンだけで済んでいるのかと思っていました」

水野部長が笑いながら、手前のラックを指さした。

🏢「半分だけです。工場の在庫を管理するシステムは、今もここに置いたままなんですよ」

そのラックの扉には、点検担当者の名前と次回点検日を書いたラミネートカードが下がっていた。奥のラックには、同じようなカードが見当たらない。

🏢「会計のソフトだけ、外部の会社が動かしているものに切り替えたので、こちらは何も貼っていないんです」

在庫システムのラックの上のほうで、赤いランプが小さく点滅していた。

🦉「あの赤いランプ、点いたままで大丈夫なんですか」

🏢「ディスクの調子が悪いという合図です。うちの担当が部品を手配して、週末に交換します。会計のほうで同じことが起きても、部品を手配するのはうちの仕事じゃないんですよ」

🦉「同じ『クラウド』のはずなのに、片方は部品の心配をして、片方はしなくていいんですね」

水野部長はノートパソコンを開き、会計ソフトの画面を見せてくれた。隅に「正常稼働中」の表示が緑色で出ている。

🏢「これ、毎朝見る癖がついていて。でも自分で直した記憶は一度もないんです」

先輩の一言

先輩はラックを見上げながら言った。

💼「クラウドって、サーバーが消えるかどうかの話じゃないんだよ。どこまでを自分たちで持って、どこから先を相手に任せるかの話なんだ」

🦉「任せる範囲、ですか」

💼「うん。機械そのものを借りるだけの契約もあれば、動かすソフトまで丸ごと借りる契約もある。水野部長の会社は、会計ソフトのほうは丸ごと任せる契約を選んだってこと」

🏢「保守をお願いしていた業者さんが引退することになって、ちょうどいい機会だったんです」

水野部長は棚から契約書のファイルを取り出し、切替の日付にマーカーで印を付けたページを開いて見せた。ページの下には障害発生時の連絡先が表になっていて、「会計システム→委託先の窓口」「在庫システム→社内の担当者」と行が分かれている。

🦉「連絡先まで別なんですね」

🏢「はい。会計のほうで何か起きても、うちの電話が鳴ることはないんです。在庫のシステムは工場の設備と直接つながっているので、しばらくはこのまま残す予定なんですけど」

🦉「さっきの赤いランプも、部品を手配するのがうちなのか向こうなのかで、任せている範囲の境目が見えたってことですか」

💼「そう。トラブルが起きたときに誰が動くかを見ると、契約の境目がはっきりわかるんだ」

カイロウは壁に貼られたラックの配置図と、机に置かれた契約書の表紙を見比べた。同じ「クラウド」という言葉でも、指している範囲が契約ごとに違う。

次に知りたいこと

🦉「先輩、その『任せる範囲』の分け方って、名前が付いているんですか」

💼「ついてる。監査でもよく出てくる分け方だから、覚えておくと契約書を見たときに迷わなくなるよ」

🦉「じゃあ、その名前を覚えれば、今日の契約書も読み解けるようになりますか」

💼「なる。名前ごとに、任せる範囲がどこまでかが決まっているからね」

🦉「同じ『クラウド』でも、契約書ごとに中身をちゃんと確認しないといけないんですね」

💼「そういうこと。今日みたいに、部長に直接聞いて確かめるのも大事な仕事だよ」

カイロウは水野部長に礼を言いながら、任せる範囲ごとにどんな名前が付くのか、帰りの電車で調べようと決めた。ラックの並ぶ部屋を出るとき、赤いランプの点滅がまだ続いているのが見えた。

Based on the AICPA Uniform CPA Examination Blueprints

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